木材から生成されるフレッシュパルプ品は、その製造工程で発生するリグニンという物質を工程内でバイオマスエネルギーとして再利用しています。そのため、化石燃料などによるエネルギーを利用した再生紙に比べ、地球温暖化抑制という点では優れています。また、フレッシュパルプは原料となる木を育てることが出来ます。
一方で、紙ごみを減らすためには古紙の再利用も不可欠です。資源を無駄にせず、一度使用したものを再び原料として使用することは素晴らしいことです。また、環境保全に役立っています。
市場では「再生紙=環境にやさしい」というイメージが広まっているため、どうしても再生紙の方が良いと考えてしまいます。ですが、フレッシュパルプ品も、古紙パルプ品も、どちらもそれぞれ環境に対するメリット、デメリットがあるのです。
つまり、「再生紙=環境にやさしい」と、古紙パルプの入った紙のみに注目するのではなく、製品の用途によって古紙パルプとフレッシュパルプをバランス良く利用することが必要になります。なぜなら、古紙パルプは再生回数を重ねるたびに繊維が細かくなり弱くなって、再生することが出来なくなります。資源としては無限ではないのです。また、要求される品質から、100%フレッシュパルプでないと余計なコストがかかってしまう製品もあります。また、コスト面・品質面・環境面から古紙が使われている紙もあります。
全ての資源に言える事ですが、大切なのは「利用できる資源は、その資源のふさわしい用途で再利用する」ということ。紙においても、使用できる古紙は品質やその製造に掛かるコストを十分に考慮し、再利用していくという事が大切なのだと考えます。
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