人形劇「救い主イエス様の誕生」台本
第3幕「天使の知らせ」
BGM「牧人羊を」(リコーダー独奏:中学生)
ナレーター1 | その夜、マリヤはとても可愛い男の赤ちゃんを産みました。ヨセフは赤ちゃんを布にくるんで、ロバや牛の餌を入れる飼い葉桶に寝かせました。世の人を救う、神の一人子イエス様は、貧しい家畜小屋でお生まれになったのです。 |
アロン | (仲間たちと中央のたき火を囲みながら)
羊たちは、おとなしく眠ったようじゃな。 |
ヤコブ | 今日は、ずいぶん運動したし、おいしい草をお腹いっぱい食べたから、満足してぐっすり眠ってしまったよ。 |
ベニヤミン | しっ、静かにして。オオカミの声が聞こえるみたいだよ。 |
アロン | それはよかった。お前ももう、一人前の羊飼いじゃ。 |
ヤコブ | (両手を大きく広げて)
ううん、疲れた。今夜もあの星が輝いている。おじいさん、なんだか不思議な星だねえ。 |
アロン | ああ、私もこの歳になるまで、あんなに明るい星を観たことがないよ。 |
ヤコブ | 何か、悪いことが起こらなければいいが。 |
ルベン | こんな貧しい暮らしに、これ以上悪いことが起こったらたまらないよ。 |
アロン | そう、昔からみんな苦しみに耐えて生きてきたんじゃ。救い主がおいでになるのを、今か今かと待ちながらな。 |
ベニヤミン | 救い主?そう言えばアンナおばあさんもそんなことを言ってたよ。 |
アロン | うん。アンナは女預言者でな、毎日エルサレムの宮で祈りながら、救い主がお生まれになるのを待っているんじゃよ。 |
ヤコブ | シメオンじいさんは、救い主に会うまでは、決して死なないとお告げを受けているそうだよ。 |
ベニヤミン | ふうん、救い主って一体どこで生まれるの? |
アロン | 昔から、大勢の預言者が救い主について預言しておるが、何でもベツレヘムでお生まれになると言うことじゃ。 |
ヤコブ | ベツレヘムだって?それじゃあ、あの星のある方角だ。 |
ベニヤミン | (突然、あたりが明るくなって、天使ガブリエルが現れる。)
うわあ!(ルベンにしがみつきながら) |
天使ガブリエル | (右手を挙げて)
おそれることはありません。今、私はこの民全体のための素晴らしい喜びを、知らせに来たのです。今日、ダビデの町であなた方のために、救い主がお生まれになりました。この方こそ、主キリストです。あなた方は、布にくるまって飼い葉桶に寝ておられるみどり子を見つけます。これがあなた方のためのしるしです。 |
天の軍勢 | (天の軍勢、上手から登場)
いと高き所に、栄光が神にあるように。地の上に平和が、御心にかなう人々にあるように。 (暗闇に戻り、天使たち退場) |
ベニヤミン | ああ、おどろいた。 |
ルベン | 神様の御使いのお告げだ。救い主がお生まれになったんだ。 |
アロン | こうしてはおられん。急いで拝みに行こう。 |
ルベン | ベツレヘムだ!
(4人とも下手に退場。) |