2000年7月30日の上毛新聞の「ひろば」に掲載された文章                         (掲載通算193号)     「青春とは心の様相」(生前最後の投稿)  青春とは人生のある期間をいうのではなく、心の様相を言うのである。全く精神 的な教訓であり、心次第で心身万全といえる。力不足の私は健康を害したりしてな かなか到達できない。  唇歯既に滅び全身病巣の75歳半。達者なのは口だけであり、梅干しの天神様、 するめ、カワハギは遠い味である。事故以来腰痛で無理するなと宣告された。  食欲もなく全身がだるく、低血糖で倒れて気がついたら病室だった。救急車で運 ばれたらしい。他人のときはサイレンで心配なのに、初めて乗った救急車の覚えが ないのは無念だ。  世の中とはそんなもの。このまま覚めなければ大往生だが、これが人生だと苦笑 する。ゲートボール中に急逝した先輩、夜中に入浴中に亡くなった義兄は一面幸せ だと思う。  葬儀の大小は人格と交友を感じるけれど、自分のは分からない。「人間至るとこ ろに青山あり」は大好きな言葉だが、私の青山は既にある。より多く善行して社会 に奉仕し、黄泉の国で少しでも良い場所に座したいものである。