1998年11月26日の上毛新聞の「ひろば」に掲載された文章                         (掲載通算176号)     「一陽来複」  琴錦関、前人未到の2度目の平幕優勝、おめでとう。心からお祝い申し上げます。 先場所はけがを押しての力戦、むなしく12枚目にまでなってしまわれましたが、 我慢しての全出場が今場所につながったと実感します。  一時は引退も考えられた由、それらを乗り越えて若手力士まで連続撃破し、若乃 花に惜敗したほかは、貴乃花、貴ノ浪も破り、14日目にして賜杯獲得を決めまし た。大関は気迫に圧倒されたとの由、楽日は旭鷹山をD51ばりに一気に粉砕、1 4勝1敗と花を添えられました。  湊富士も勝ち越し、琴稲妻関は十両3枚目まで下がったけれど、花の36才若々 しい奮闘ぶりに復活は間近と称賛します。  小渕代議士が上州3人目の首相として、支持率や世論にもめげず、人柄と決断力 の見事さで日本丸のカジとり、中島代議士の汚点は残念だけれど、人格の問題。ま さに名物空っ風で不況心を吹き飛ばしたと一人合点しながら無上の励ましを受けま した。一陽来複、心はまさに春です。地元の熱狂はさることながら、琴錦関優勝記 念大バーゲンでも打って、一気に活力を生み出したいものです。「人に喜ばれるよ うな相撲を取りたい」にしびれました。