掲載通算17号(平成2年6月3日)    榛名湖の乙女逝く  大相撲の千葉楽をテレビで見ていて、旭富士の久しぶりの優勝も決まり、大好 きな笑点に切り替えた。笑いながら見ているうちに、臨時ニュースが入ったので、 なんだろうと見ていたら、先日来、御危篤で心配していた高峰三重子さんが71 歳で逝去されたとか。またまた敬愛する人々の相次ぐ悲報、いかに生者必滅とは いえ、もっと長く活躍して欲しかった。  高峰さんは映画「湖畔の乙女」と、森の淋しい湖に・・・の「湖畔の宿」の哀 調、歌手として女優としてまさに名の通りの最高峰だった。家庭生活はあまり幸 福ではなかったようだけれど、筑風先生のご令嬢として嫌みのない気品の良さ、 「鳩に三枝の礼あり」といってつけられたゆかしい名前。上原謙さんと「法師の 湯」でのコマーシャルの入浴シーン、お年?とは思われない、ほのぼのとした若 さあふれる姿にため息さえ出るほどだった。  ひばりさんに次ぎ、また私の大好きだった大女優もついに星空のかなたへ行っ てしまった。  しかし一面、惜しまれながらされる一は幸せです。三重子さんは私の青春の思 い出の女優、「湖畔の宿」の榛名湖の乙女の精となり、永遠に輝いてください、 今はただ、心よりご冥福をお祈りいたします。