掲載通算10号(平成元年11月7日)    あいさつを交わしあう町  10月22日おそく、18年も臥床していた叔母が亡くなったとの知らせで、 翌日佐倉市新臼井田の鳳翔団地(開発者が元艦長とか)へ出かけた。私は障害者 でもあり、収入も少ないので特典を利用しJRで上野経由で成田へ。京成で臼井 で降り、電話して迎えに来てもらった。  仮葬を無事すませ、千葉市の斎場で下層もすんだ。2泊目の朝6時から1時間 ほど団地の内外を散歩した。風は少し冷たかったが、空き缶1つ見あたらない。 公園も3カ所あり小さいけれど実にきれいだ。行き交う人もみな不知の私に気軽 に「おはようございます」とあいさつしてくれた。さらに感心したのは、犬を散 歩させる人がみな、ビニール袋を持っていることであり、何か犬さえも親近感を 覚えるほど、正しく歩いていて、「ワンちゃんおはよう」とつい声をかけてしま った。  成田山まで送ってもらい参拝して夜9時ごろ帰宅したが、何か心が温かくなっ た。  振り返って我が町はどうだろうか。顔見知りの若者、毎朝畑の行き帰りにあう 娘さんなど、ツンとすましてあいさつもない。年寄り達も知り合いでない限りほ とんどあいさつしない。私も少々照れ屋で、若者にこちらから声をかけないけれ ど。  ごみや空き缶も散らばっているし、何となくすっきりしない。私はこれから努 めて声をかけようと思う。そして町民そろって彼の団地のごとく、あいさつが交 わされれば、もっと明るく住み良い故郷になると思う。