掲載通算8号(平成元年8月19日)   捨てる人には決してなるまい  地区の役員によると観音堂と大師堂のむし干し後の懇話会で私と一緒に衛生の 役員をしているK君の話に感動した。  K君は毎朝新幹線の測道付近まで散歩するそうだけれど、袋を持って散歩して いる老人がいるとのこと。目に付いた空き缶や空き瓶を広いながらの散歩だそう で、人家の前のは、その家にまかせて拾わず、人気のない所のみ拾うそうである。  毎朝落ちているそうで、車を運転しながらでも捨てるのか、一緒に良心を捨て ている人のいかに多いかわかる。自分の住居内なら絶対に捨てないだろうに。  日本人の公徳心の低さ、自分勝手さに自分も含めて、あらためて反省した。私 も近所に落ちているものは拾って危険物置き場に出すが、半分は自分の携わる役 のなせるわざでしかない。  「シンガポールは汚い街だったが、3年ほどして寄港したときには驚くほど きれいになっていた。日本も罰金を取るくらいきびしくしなければ、美しくなら ないだろうか」と外国と外国航路の船員だったK君の言葉にしみじみと感じ入っ た次第である。私は絶対に捨てる人にはなるまい。拾う人になろうと固く心に誓 った。  1人ひとりがその気になれば、せまい日本が光り輝く美しさを取り戻す。まず 自分は捨てない。これから始めよう。